ハンティングドローン
ハンティングドローンとは狩猟用ドローンのことで、拡声器、煙火を搭載した特殊なドローンです。拡声器からの猟犬の声で動物に対して威嚇を行います。また、無線を使っての注意喚起も可能で、緊急事態にも対応できるドローンです。
三者協定で進化するクマ対策!ハンティングドローンが守る市民の安全
三者協定で進化するクマ対策!ハンティングドローンが守る市民の安全
北海道では、道内の多くの場所でクマの出没が増加し、北海道全体の安全・安心が脅かされています。当校ではこの課題に対し、市街地周辺でのヒグマ出没時におけるドローンによる監視や避難誘導、情報発信等。害獣対策に特化したドローン「ハンティングドローン」を使って、クマの監視や対策に立ち向かっています。「名寄警察」「名寄市」「名寄自動車学校」の三者協定を締結、三者が一体となってクマ対策に取り組んでいます。
クマ出没情報をもとに出動、名寄市、名寄警察と連携を図り、ドローンを使った上空からの監視をします。その監視情報を活用し、地域の方々への注意喚起、避難誘導、生体調査や情報発信を行っています。
名寄市のHPにも紹介されております
・令和6年6月4日に協定を締結しました
・ドローンを活用した熊出没訓練
【未来の狩猟】ハンティングドローンが人々と自然の共存を支える
近年、野生動物による農作物被害や市街地への出没が深刻な問題となっています。特に熊との遭遇は、人命に関わる危険も伴います。こうした課題解決の切り札として、今「ハンティングドローン」が大きな注目を集めています。
このページでは、ハンティングドローンの仕組みから、熊対策における驚くべき有用性、そして全国での活用事例まで、その全貌を分かりやすく解説します。
熊対策の決定版!なぜドローンが有効なのか?
ハンティングドローンは、熊の追い払いや監視において、従来の方法にはない多くのメリットをもたらします。研究実験では、ドローンによる熊の撃退成功率が91%に達したという報告もあります。
- 安全な距離からの追い払い 人が直接山に入ることなく、遠隔操作で熊を安全に山奥へ誘導できます。これにより、作業員の安全が飛躍的に向上します。
- 確実な発見と監視 赤外線サーマルカメラを搭載したドローンは、昼夜を問わず、草木に隠れた熊を体温で検知します。これにより、熊の正確な位置や頭数をリアルタイムで把握することが可能です。
- 心理的なプレッシャー ドローンは熊にとって未知の飛来物です。その飛行音や、搭載されたスピーカーから発する犬の鳴き声やサイレンといった熊が嫌がる音は、熊に強い警戒心を与え、人里から遠ざける効果が期待できます。
ハンティングドローンの仕組み

ハンティングドローンは、単に空中を飛ぶだけではありません。最先端の技術を結集し、野生動物対策に特化した様々な機能が搭載されています。
- スピーカー(威嚇装置機能) ハンティングドローン「UD4JH」には高出力スピーカーを搭載しており、犬の鳴き声や警告音声を遠くまで大音量で響き渡らせることができます。その効果は上空100メートルからでも十分で、熊やシカ、イノシシなどを威嚇して追い払う場面で力を発揮します。さらに、音声のON/OFFはリモートコントローラーから切り替えられるため、状況に応じて素早く対応できるのも大きな特長です。
- 獣害用煙火(2本:6発) 本機には、獣害用煙火を2本セットで搭載され、最大で6発を発射可能です。発射すると大きな爆音が鳴り響き、野生動物に強い警戒心を与えて追い払い効果を高めます。運用にあたっては飛行高度や周囲の安全に十分注意しながら使うことで、農地や集落周辺の獣害被害を減らす大きな力を発揮します。
全国に広がるハンティングドローンの活用事例
すでに日本各地の自治体や猟友会で、ハンティングドローンの導入が進み、大きな成果を上げています。
- 北海道名寄市 自治体、警察、ドローン事業者が協定を結び、ドローンを活用した熊の追い払いや、住民への避難呼びかけを実施しています。
- 岩手県 トウモロコシ畑に出没する熊の対策として、赤外線カメラを搭載したドローン「DJI Mavic 3 Thermal」を導入。熊を迅速に発見し、スピーカーによる威嚇で農作物被害を抑えることに成功しました。
- 京都府福知山市 猟友会がスピーカー付きのドローンを活用し、シカを罠のある場所へ追い込む実証実験に成功。猟犬の役割をドローンが代替することで、より安全で効率的な狩猟のモデルケースとして注目されています。
- 愛媛県今治市・東京都あきる野市 ドローンによる空撮映像と画像解析を組み合わせ、獲物の発見や生息数の把握を行う実証実験が進められています。これにより、より計画的で効果的な対策が可能になります。
このように、ハンティングドローンは鳥獣被害対策の「省力化」と「効率化」を実現する革新的な技術です。ドローンを正しく活用することで、私たちは野生動物との適切な距離を保ち、安全で豊かな社会を築いていくことができるのです。