河川やため池、ダムなどでは、水の中の様子は外からでは見えにくく、確認が難しい場所も多くあります。そうした場面で活用が広がっているのが水中ドローンで、人が潜って確認するには危険や制約が多い環境でも、離れた場所から状況を把握できるようになってきました。

特に、水中は視界が悪いうえに流れや濁りの影響も受けやすく、水深がある場所や足場の悪い場所では人が近づくだけでも大きな負担になりますが、そうした環境の中でも水中ドローンはライトやカメラを使いながら構造物の状態や周囲の様子をリアルタイムで映し出し、機種によってはアームを装着して水中のものをつかんだり引き寄せたりすることもできるため、確認にとどまらず簡単な作業まで遠隔で行える点に特徴があります。

例えば、ダムの壁面や河川の護岸、ため池の底、取水口まわりなど、普段見えにくい場所まで確認できることは大きな強みです。一方で、水中ドローンは水の中で使うため動き方に特徴がありますが、送信機の基本操作は空中のドローンと同じで、水中では電波が使えないため、多くの場合はケーブルで本体と操作側をつないで使います。

また撮影した映像はその場で確認するだけでなく記録として残すことで後から見返すことができ、点検前後の変化を比較したり関係者同士で状況を共有したりといった活用にもつながります。水中という見えにくい環境だからこそ、こうした記録の価値はより高くなりますし、今後は農業用水の管理や防災点検に加えダムや取水設備など水中構造物の確認にも使われていくほか、港湾などの分野へ広がる可能性もあり、さらに湖や川の様子を水中から撮影したりライブ配信したりすることで観光PRや地域の魅力発信といった新しい使い方にもつながっていきます。

空からだけでなく水の中からも状況を把握できるようになったことで点検や調査の幅は確実に広がっており、見えない場所をどう確認するかという課題に対する一つの答えとして、水中ドローンはこれからの現場に欠かせない存在になりつつあります。