建物の天井裏や床下、暗い配管の奥など、普段は人の目が届きにくい場所にも、劣化や破損、雨漏り、腐食といった小さな異変が隠れていることがあります。一方で、そこが狭く、暗く、危険な場所であれば、人が直接入って確認することは簡単ではありません。

そこで活躍が期待されているのが、設備点検に使われる小型ドローンです。

手のひらほどの大きさの機体が、人の代わりに奥へ入り、カメラで内部の様子を確認することで、これまで見えにくかった場所のリスクを見つけ出すことができるようになってきました。

さらに、映像として記録を残せるため、現場で見た人だけの判断に頼らず、あとから複数の人で確認できる点も大きな利点です。

たとえば北海道では、冬の寒さや雪、凍結によって、屋根上や高所の確認が難しくなることがあります。また、排気口や換気ダクト、排気筒のまわりに異常がないか、天井裏や床下に水漏れや傷みがないかを確認するために、人が上がったり、狭い場所へ入ったりすることは簡単ではありません。

そうした場所に人が入る前に、小型ドローンで内部や周辺の状態を確認できれば、作業の安全性は大きく変わり、撮影した映像を前回の点検結果と比べることで、小さな変化にも気づきやすくなり、経験のある人だけに頼らない点検にもつながっていきます。

もちろん、すべての点検をドローンだけで済ませられるわけではありませんが、それでも、人が無理をして危険な場所へ入る前に、まず小さな機体が確認してくれるという選択肢は、これからの設備管理にとって大きな力になり、さらに人手不足が課題になる地域ほど、限られた人員で安全に確認できる方法は大切になっていくはずです。

大がかりな準備をする前に状況を把握できれば、作業時間や費用の削減につながるだけでなく、設備を止める時間を短くできる可能性もあり、「狭い」「暗い」「危険」といった、これまで人が苦労して確認してきた場所へドローンが先に入ることで、見えない場所を見えるようにし、建物や設備を守りながら、そこで働く人の安全を守る新しい点検の形につながっていくのではないでしょうか。